「産後うつ」という言葉も聞き慣れたものになりました。それだけ出産後はうつ状態になりやすいということです。
もちろん全員がなるわけではありません。しかし、産後うつで命を自ら絶ってしまったかたがいることも事実です。
もし、今あなたが子育てが産後つらくて、うつになりそうだったら、うつになってしまったら、完璧主義を手放してください。
どんどん人に頼りましょう!実家の両親、夫の両親、近所の気のいいおばあちゃん、スーパーでいつも声をかけてくれるレジの人からの、
「かわいい赤ちゃんね^^」その一言で救われること、あります。
赤ちゃんに似合うお洋服を買って、どんどん街に出ましょう!
干支の着ぐるみ、くまの耳つきジャンプスーツなんか、おすすめです。
小学生からおばあちゃんまで、振り向いて、「あの赤ちゃん、かわいい~♥」って言いますよ!
街であなたの赤ちゃんが人気者になること間違いなし!
かくいう私も「産後うつ」を経験しました。意外と身近な産後うつのお話です。
・「こうでなければいけない」という思い込み
何故だか私は理想の母親像を強く持っていて、母親というものはこうでないといけないと思っていました。
母乳で育てなければいけない。夜中もひとりでお世話をしなければいけない。育児も家事もしなければいけない。
だって母親だから。
しかし、産後一か月もたっていないのに、すぐに理想の母親になれるわけがありません。理想と現実のギャップにどんどん自信をなくしていきました。
・疲れがピーク
とにかく母乳が出るように、マッサージをしてもらったり搾乳したりと、ほとんど睡眠をとらずに産院を退院しました。
また、里帰り出産なのに実家の親にもうまく頼ることができず、夜中もずっとひとりでお世話をしていました。
ピークになった疲労は、ついには母乳を出なくしてしまったのです。
・母親になる自信がなくなる
母乳が出なくなってしまったことはかなりショックで、私から母親になるという自信をすっかり奪ってしまいました。
あんなに辛い陣痛に耐えたのに・・・あんな思いで出産したのに・・・
そのときの自信が全くなくなってしまったのです。
子どもに申し訳がない。母親になれない。消えてしまいたい。子どもがかわいそう。何もできない。
そんな思いで埋め尽くされ、とうとう体に異変が現れました。
・いつもと違う
体への異変を感じたのは、生後約3週間目でした。
子どもが泣いていても、金縛りにあったように体が動かないのです。
いつもなら、オムツを替えて授乳して…。それがどうしたらいいのかわからないのです。
異変に気がついてくれた実家の母の顔を見るなり、私まで赤子のように泣いてしまいました。母親もびっくりしてすぐに夫に連絡をとってくれました。
・心療内科へ行きたい
夫が実家に駆けつけてくれてから、また赤子のようにわんわん泣きました。
そして、動かない体をとにかくベッドへ運んで話を聞いてくれました。
母乳が出なくて情けないこと。
体が動かないこと。
子どもとふたりになることが怖いこと。
すべて投げ出してしまいたいこと。
そして、心療内科へ行きたいこと…。
実は、生後2週間の検診で、すでに産後うつの傾向があるので気をつけてと言われていたのです。
心療内科へ行きたいと思ったのは、もちろん「治して赤ちゃんのお世話がしたい」と思ったからです。
せっかく産んだ子どもと夫を残して消えてしまいたいと思うなんて、ただ事ではないと自分でも感じていたのです。
・「産後うつ」の診断を受けて
案の定産後うつ。
抗うつ剤と睡眠薬を処方してもらいました。
しかし私は夜中のお世話をどうするか迷いました。
母乳が出なくなった以上、ミルク育児をするしかありません。
落ち込んでいた私に実家の母が、
「あんたもミルクだけで育った。でも、普通に大きくなったでしょ?ミルクならいつでも誰でもあげられる。みんなで育てればいいじゃない。」
この言葉が、私の考え方を変えてくれたのです。
・「みんなで子育て」が合言葉
抗うつ剤と睡眠薬はかなり副作用に悩まされました。
夫が急きょ育児休暇をとってくれ、母親と夫が交代で夜は子どもの世話をしてくれました。
私はとにかく体を休めましたが、朝一番のミルクは体が副作用で重く、這って作りに行きました。
夜中のお世話ができなくて申し訳ない。
何度もそう思い何度も泣きました。
・わが子が私に自信をくれた人見知り期
生後4ヶ月。夫も職場に復帰し、実家からも戻り、日中は赤ちゃんと私のふたりの生活が始まりました。
自宅に帰っていましたが、実家の母が仕事帰りに頻繁に見にきてくれました。
そして人見知りは驚くほど突然やってきました。
実家に行けば泣く。私以外の人が抱っこすると泣く。私の姿が見えないと泣く。
そんなとき、近所のかたに「本当にお母さんが大好きねー。」と言われたのです!
えっ?そうなの?私のこと、お母さんって思ってくれているの?一緒がいいの?と。
出産時以来の嬉し涙が流れました。
・1年経ったいま今も
まだ抗うつ剤、睡眠薬を飲んでいます。
しかし子育てのルールを自分で決めました。
- 子供と一緒に昼寝すること。
- 家事は夫と一緒にすること。
- レトルト食品に頼ること。
- 家が汚くてもよし。
- 小さなできたことを大きく褒めること。
- 他の人と比べないこと。
- いろんな人に助けてもらうこと。
ミルクでもいいじゃないですか?!
離乳食がレトルトでも、たまにはいいじゃないですか!
家事ができなくてもいいじゃないですか!
今の私は、私の昔の理想の母親像から随分とかけ離れています。
しかし、毎日子どもと笑顔でテレビを観ているとき、本当に幸せだと感じるのです。
私が完璧主義の考え方を変えることができるように、産後うつになったのだと思っています。ゆっくりこれからも付き合っていきたいです。